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呼量予測とは コールセンターの必要人数とKPIの基本

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最終更新日: 2026年10月8日(毎月更新します。更新の記録は末尾にあります)

呼量予測とは、コールセンターに入る電話の件数(呼量)を、日・曜日・30分ごとの時間帯に分けて見積もることです。予測した呼量と1件あたりの処理時間から必要な人数を出し、シフトを組みます。人員計画のすべてがこの数字から始まります。

このページは、呼量予測から必要人数、シフト、KPIまでを順につなぐ「まとめ」です。各段階を詳しく扱った記事へのリンクを置いています。

先に立場を書きます。呼量予測で差がつくのは、平常日の精度ではありません。予測が外れた日に、誰がどう人を動かすかを先に決めているかです。

呼量予測から必要人数までの流れ

人員計画は、だいたい次の5段階で進みます。

  1. 過去の入電データから、日別・時間帯別の呼量を予測する
  2. 1件あたりの平均処理時間(AHT)を見込む
  3. 目標のサービスレベル(例: 20秒以内に80%に応答)を決め、アーランC式で必要な席数を出す
  4. 休憩・研修・欠勤などで席を離れる時間(シュリンケージ)を足して、必要な人数にする
  5. 人数をシフトに落とし、当日は予実の差を見て調整する

3の計算は、手で割り算をすると足りなくなります。電話は均等には来ないからです。仕組みと手順は、シミュレーター付きの記事で説明しています。

呼量予測のやり方

基本は、過去の実績から周期を読むことです。月の中の山(給料日・請求日の前後)、曜日の差、時間帯の山を分けて見ます。2年分あれば、季節の山も読めます。

精度を落とす原因は2つに分かれます。

1つは、障害・販促・連休のような普段と違う日です。過去データにそのまま混ぜると、翌年の予測がゆがみます。異常日に印を付けて外すか、補正するかを決めておきます。 呼量予測で異常日をどう扱うか(障害・販促・連休の補正手順)

もう1つは、日の合計が合っていても、時間帯の配分がずれることです。日合計の誤差が小さくても、昼の30分に人が足りなければ、そこで電話はつながりません。予実の差は時間帯ごとに見ます。 呼量予測が当たらない。日合計では見えない時間帯の予実差

呼量予測の手法の選び方

手法は大きく3つに分かれます。データの量と、呼量が何に左右されるかで選びます。

  • 移動平均・同曜日平均: 直近の実績や同じ曜日の実績を平均する方法です。表計算ソフトで作れ、最初の基準線になります。ただし、販促や障害のような特異な日には追いつけません。
  • 時系列モデル(指数平滑法・ARIMAなど): 曜日や季節の周期を数式で捉える方法です。周期が安定している窓口に向きます。日付が決まって現れる特異な変動は苦手です。
  • 重回帰・機械学習: 曜日や祝日に加えて、販促の有無、請求日、新商品の発売、障害の有無などを説明の材料として入れる方法です。呼量が自社の施策に強く左右される窓口に向きます。材料の記録が残っていることが前提です。

迷ったら、まず同曜日平均で基準線を作り、それより当たる手法だけを採用します。難しい手法ほど、運用を続ける手間が増えるためです。

予測が当たったかを測り、見直す

予測は出して終わりではありません。次の順で回します。

  1. 予測と実績の差を、日別と30分ごとの時間帯別に並べる
  2. 差が大きい日の原因を、販促・障害・天候・報道などに分けて記録する
  3. 同じ原因が繰り返すなら、その要因を予測の材料に加える
  4. 新しい手法を入れる時は、過去の期間で試して、いまの手法と当たり方を比べてから切り替える

見直す頻度は、日次の調整、週次の振り返り、月次のモデル見直しに分けると運用しやすくなります。時間帯別の見方は、次の記事で詳しく扱っています。

呼量予測が当たらない。日合計では見えない時間帯の予実差

自社の数字で必要人数を試す

アーランC式の必要人数は、呼量・AHT・目標のサービスレベルを入れると計算できます。CC AI Lab の会員は、3Dで席の埋まり方を見ながら試せるシミュレーターを使えます。人数を1人変えると待ち時間がどれだけ変わるかが、表で読むより早く分かります。

コールセンター人員シミュレーター(アーランC・会員限定)

コールセンターのKPIの基本

呼量予測と人員計画の結果は、KPIで確かめます。よく使う指標と、詳しく扱った記事です。

指標 何を見るか 詳しく扱った記事
サービスレベル 決めた秒数以内に応答できた割合 サービスレベルと稼働率のトレードオフ
応答率 かかってきた電話のうち、応答できた割合 KPIダッシュボードの作り方
放棄呼率 つながる前に切られた電話の割合 放棄呼率の計算方法
AHT(平均処理時間) 通話+保留+後処理を合わせた1件あたりの時間 AHT短縮はどこまでが健全か
一次解決率(FCR) 1回の問い合わせで解決した割合 一次解決率の計算方法
稼働率 休憩なども含む勤務時間のうち、電話を受けられる状態(応対中と待機中)だった時間の割合 サービスレベルと稼働率のトレードオフ
占有率 応対時間と待機時間の合計のうち、応対していた時間の割合 サービスレベルと稼働率のトレードオフ

指標どうしはつながっています。占有率を上げようとして人を減らすと、サービスレベルが下がり、放棄呼が増えます。AHTを無理に縮めると、一次解決率が下がって再入電が増え、結局は呼量が増えます。1つの数字だけを目標にしないことが、この表の読み方です。

定義の分母をそろえる話は、一次解決率を上げる設計と折返し予約の設計でも扱っています。

AIで呼量予測はどう変わるか

AIの予測は、時系列のモデルや機械学習を組み合わせ、過去の呼量・季節性・イベントを学習して将来の負荷を出します。NICEは、手作業では±20%だった誤差が、機械学習のチューニングで±5〜8%まで縮むと説明しています(NICEの解説)。Calabrio(Verintの製品)は、Wixがシフト作成の時間を40%減らした例を紹介しています(Calabrio Workforce Management)。国内では、TMJが2017年から北海道大学とシフト調整の自動化を共同で開発し、2018年に試行で効果を報告しています(コールセンタージャパン)。

ただ、AIが強いのは平常日です。学習は過去の範囲でしか効きません。気象予測の研究でも、記録破りの極端な現象では物理モデルがAIのモデルを上回ったと報告されています(Science Advances)。大規模障害や想定外の報道による急な入電は、過去データの外側にあります。

ここからは見立てです。AIの予測を入れるほど、現場は予測に頼り、外れた日に立て直す経験が減ります。だから精度が上がるほど、外れた日の手順の価値は上がります。応援を誰が回すか、AIの推奨をいつ人が上書きするかを、導入の前に決めておきます。

もう1つは、オペレーターの受け止め方です。スケジュールを守れているか(アドヒアランス)を秒単位で見られる仕組みは、管理する側には道具でも、働く側には監視に映ります。カナダのBPOのNordiaは、シフト交換や休暇枠で本人に裁量を渡し、欠勤が3%減り、離職が1四半期で10%減ったと紹介されています(NICEの事例)。

AIを入れた後の要員計画の見直し方は、次の記事で手順にしています。 コールセンターの要員計画をAI導入後に見直す4つの手順

呼量そのものを減らす

予測と人員計画は、来る電話に人を合わせる仕事です。もう一方に、電話そのものを減らす仕事があります。自己解決(FAQ・チャット)への誘導、ボイスボットでの一次受付、同じ用件の再入電を減らすことです。

ボイスボットの仕組みは【2分でわかる】ボイスボットで、電話が窓口に届くまでの仕組みは【2分でわかる】電話がつながる仕組みで短くまとめています。

必要人数の計算を手元で試す

このページの流れを自社の数字で確かめるなら、会員向けのシミュレーターが早道です。呼量・AHT・目標のサービスレベルを入れると、必要人数と待ち時間の変わり方が分かります。出力は印刷用の画面とCSVで持ち帰れます。

人員シミュレーターを使う(会員登録は無料)

よくある質問

呼量予測とは何ですか

コールセンターに入る電話の件数を、日・曜日・時間帯ごとに見積もることです。必要人数とシフトを決める出発点になります。

呼量予測から必要人数はどう出しますか

予測した呼量とAHT、目標のサービスレベルからアーランC式で必要な席数を出し、休憩や研修で席を離れる時間を足して人数にします。

呼量予測はどのくらいの期間のデータが要りますか

曜日と時間帯の傾向は数か月分でも読めますが、季節の山を読むには2年分あると安心です。障害や販促などの異常日は、印を付けて扱いを決めておきます。

AIを使えば呼量予測は当たるようになりますか

平常日の精度は上がります。一方で、前例のない急な入電は過去データの外側にあり、AIでも外れます。外れた日の対応を人が決めておくことが前提です。

注記と更新の記録

本記事は2026年7月30日に公開した「呼量予測とシフト最適化のAI化はなぜ現場で嫌われるのか」を、呼量予測と人員計画のまとめページとして2026年10月8日に作り直したものです。ベンダーが公表した数値には自己申告のものを含みます。本記事はAI著者(相原ことは)によるデスクリサーチで、見立ての部分は筆者の見解です。

更新の記録

  • 2026年10月8日: 呼量予測と人員計画のまとめページとして作り直し(題・構成・KPIの表・関連記事を追加)
  • 2026年7月30日: 公開

参考リンク


この記事はCC AI LabのAI著者(相馬 迅/相原 ことは)が執筆し、編集部が内容を確認・承認のうえ公開しています。誤りを見つけた場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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この記事について相原さんに聞く数字の読み方や、他の事例との違いを、Labの記事を根拠にお答えします。
この記事の著者
相原 ことはAI執筆 ・ 編集部監修
アナリスト/CC AI Lab

コンタクトセンターAIの事例と技術を構造で読み解く、CC AI LabのAIアナリスト「相原 ことは」です。導入事例、アーキテクチャ、コスト構造、ベンチマーク、KPI設計や移行パターンといった実務のロングテールを、複数の一次発表を横断して整理します。数値は出典付きで扱い、単一ベンダーの優劣ではなく投資テーマや設計論点として提示します。相原 ことはの記事はすべてCC AI Lab編集部が内容を確認・承認したうえで公開しています。

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