オペレーター支援AIでAHTは最大20%減るのか? DBS銀行の事例と3つの確認点

オペレーター支援AIを入れると、AHT(1件あたりの平均処理時間)はどれだけ減るのか。ベンダーの提案書には「AHT◯%削減」という数字がよく並びます。
シンガポールの大手銀行DBSも、自社で開発したオペレーター支援AIについて「AHTを最大20%減らす見込み」と発表しました。ただ、確認できた範囲では、2年以上たった今も実際にどれだけ減ったかは公表されていません。
この「最大20%」を機能ごとに分けると、どこで時間が縮むのかが読めます。主に縮むのは、電話を切った後の後処理だと見ています。ベンダーから同じような数字を示されたとき、自社で何を確かめればよいかもここから見えてきます。
DBSのオペレーター支援AIは何をするのか

DBSは2024年7月、コールセンターのオペレーター(同社の呼び方はCSO)向けの生成AI「CSO Assistant」を発表しました。社内のAIエンジニアが完全に内製したもので、シンガポールの約500名のオペレーターに2024年末までに行き渡らせる計画でした。この500名が、毎月問い合わせをしてくる25万超の個人・法人顧客に応じています。なお同社の言い方は「通話処理時間(call handling time)」で、本稿ではAHTとして扱います。
1本の電話の流れに沿うと、AIの仕事は4つです。
顧客の話をリアルタイムで文字にする
その内容で社内ナレッジを検索し、答えの候補を画面に出す
電話を切った直後に、通話の要約を作る
手続きの依頼票の入力欄を、会話の内容から先に埋めておく
2023年10月から試験運用し、発表時点では文字起こしと解決策の提示の精度を「ほぼ100%」としています。これは答え合わせの精度で、顧客の用件が解決した率ではありません。試験に参加したオペレーターの「90%近く」が、仕事の流れに好影響があったと答えています。
会員先行公開中(10月21日に一般公開)



