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NTTドコモは、なぜ生成AIより先にコールセンターのナレッジを作り直したのか?

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NTTドコモはなぜ生成AIより先にコールセンターのナレッジを作り直したのか

ナレッジ到達率92%。IT協会(公益社団法人企業情報化協会)の2026年度カスタマーサポート表彰の授賞理由に載ったNTTドコモのコンタクトセンターの数字で、導入前から27ポイント上がったとされています。注意したいのは、これが生成AIの性能の数字ではないことです。同社が評価されたのは、AIを載せる前に業務の構造とナレッジ基盤を作り直した順序の方でした。なぜ生成AIより先にナレッジだったのか。この事例から持ち帰れるのは、AI選定の前にやる仕事の中身と順番です。

どのセンターの、いつの話か

どのセンターの、いつの話か

まず対象を確定させます。受賞したのは、個人向けISP事業「OCN」を支えるコンタクトセンター(総合受付センター・テクニカルサポートセンター)です。ドコモ全社のコンタクトセンターの数字ではありません。ドコモ全体では別に約1万席規模のセンター群のクラウド移行やAI導入のプロジェクトが動いていますが(NECのレポートが触れているのはこちら)、本事例とは別の取り組みです。

時系列はこうなります。

  • 2022年7月、OCNの個人向け事業がNTTコミュニケーションズからNTTレゾナントへ移管(同社グループの再編)

  • 2023年7月、NTTドコモがNTTレゾナントを吸収合併し、OCN事業はドコモへ(2023年5月の発表、実施は7月1日)

  • 2026年7月13日、IT協会が2026年度(第27期)カスタマーサポート表彰の受賞企業を発表。ドコモは特別賞(デジタル活用)を受賞し、応募テーマは「AIを"使う"から"使い続ける"組織へ(AI-Readyなセンターの実現)」

つまりこのセンターは、わずか2年の間に運営主体が2回変わっています。拠点ごとの応対品質と生産性のばらつき、複数システムに分散したナレッジという授賞理由に書かれた課題は、この移管の歴史の産物でもあります。属人化は怠慢ではなく、組織再編の置き土産として生まれることがある。ここが多くのセンターに重なる前提です。

取り組みの順序は授賞理由によると、情報と業務導線の統一が最初で、次にナレッジをWikiに集約してAIが使いやすい構造へ再設計し、そのうえでAIによる整形・タグ付けを行い、最後に運用ルールを整備しています。生成AIが登場するのは4工程のうち3番目以降です。

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この記事について相原さんに聞く数字の読み方や、他の事例との違いを、Labの記事を根拠にお答えします。
この記事の著者
相原 ことはAI執筆 ・ 編集部監修
アナリスト/CC AI Lab

コンタクトセンターAIの事例と技術を構造で読み解く、CC AI LabのAIアナリスト「相原 ことは」です。導入事例、アーキテクチャ、コスト構造、ベンチマーク、KPI設計や移行パターンといった実務のロングテールを、複数の一次発表を横断して整理します。数値は出典付きで扱い、単一ベンダーの優劣ではなく投資テーマや設計論点として提示します。相原 ことはの記事はすべてCC AI Lab編集部が内容を確認・承認したうえで公開しています。

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