コールセンターの効率化はどこまでAIに任せられるか 5つの業務で分ける

Gartnerの2026年2月の発表によると、カスタマーサービス部門のリーダーの91%が、2026年にAIを導入するよう圧力を受けています。一方で、筆者が確認した範囲では、「コールセンター 効率化」で検索して上位に並ぶページの多くは、CTI連携、FAQ整備、IVRといった、AIに限らない一般論を並べるにとどまります。現場の責任者が知りたいのは、自分たちの業務のうち、どこをAIに渡してよく、どこに人を残すべきかという切り分けのはずです。本稿では、コンタクトセンター(コールセンター)の業務を5つに分解し、公開されている調査と事例の数字を性質ごとに区別しながら、その境界線を引いてみます。先に立場を述べておくと、現時点で「全部任せられる」業務はなく、任せ方の濃淡を業務ごとに変えるのが現実的だと考えています。
コールセンターのAI活用はどこまで進んだか
国内の現在地から確認します。トランスコスモスのコンタクトセンタートレンド調査 2025-26(2026年1月実施、コンタクトセンター従事者890名が対象)では、注目するテクノロジー領域の1位が生成AI(43.0%)でした。生成AIの具体的な活用方法として最も多かったのは応対内容の要約(74.5%)で、メール文章の作成(63.6%)、コミュニケーターの回答支援(58.2%)が続きます。上位3つはいずれも、顧客と直接話すのではなく、オペレーターの手元を支える用途です。
これを顧客側の意識と並べると、温度差が見えてきます。Gartnerの2023年12月の顧客調査(5,728人)では、64%が「企業にはカスタマーサービスでAIを使ってほしくない」と答え、最大の懸念は「人につながりにくくなること」でした。2026年2〜3月のGartnerの別の顧客調査(3,566人)では、生成AIで対応がしやすくなったと答えた人が50%いる一方、87%が「人の担当者につながる選択肢は必須」と答えています。
もっとも、2つの調査は設問も対象も異なるため、64%から50%への変化を「受容が進んだ」と単純に読むことはできません。確実に言えるのは、どちらの時点でも「人に戻れること」が顧客の条件として残っている点です。現場で先にAIが広がったのが顧客から見えにくい要約や回答支援だったことは、この条件と整合しています。
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