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誰が払い、誰が決め、誰が入れるのか。日本のコンタクトセンター業界の地図とAIの5つの販売経路

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この記事の要点

  • 市場の差は、縮むか伸びるかではなく、伸び方の違い。人の稼働を売る市場は、回復予測と微減予測で見方が割れている

  • 仕組みを売る市場は減速しながら伸び、AIに関わる市場だけが年平均2〜3割台で伸びる予測。ただし金額は、まだ人の側が大きい

  • コンタクトセンターでは「払う人」「決める人」「導入する人」が層ごとにずれている。それがAIの販売経路を何重にもしている

  • AIがコンタクトセンターに届く経路は5つある。コンサル、SIer、BPO、キャリア・基盤ベンダー、直販

  • 公表事例では届け手の姿がほとんど見えない。国内の公表事例でSIer・BPO・キャリア・コンサルの名前が出るのは約1割(11.2%)で、その中にも自社のAI製品の作り手としての登場が含まれる(CC AI Lab 編集部の集計)

伸び方の違う市場が、同じ現場に重なっている

この章のポイント

  • 人の稼働を売る市場は、回復予測(ミック、年平均3.6%増)と微減予測(矢野)で見方が割れている

  • 仕組みを売る市場は伸び続けるが、減速する予測。AIに関わる市場だけが年平均2〜3割台で伸びる

  • 定義が違うので、市場どうしの大小は比べられない。読めるのは向きだけ

コンタクトセンター(以下CC)の市場について、2024年度の実績と、各調査の見込・予測を並べます。

図: 実績・見込・予測の推移

図の要点: 市場の差は「縮むか伸びるか」ではなく「伸び方の違い」です(定義が違うため、市場どうしの大小は比べません)。

市場(調査会社)

2024年度(実績)

2025年度

将来予測

CC向けBPO(業務の外部委託)市場(デロイト トーマツ ミック経済研究所)

9,314億円、前年比2.3%減

9,548億円、2.5%増(見込)

2028年度 1兆740億円(予測。2024〜2028年度の年平均3.6%)

コールセンターサービス市場(矢野経済研究所)

1兆517億円、3.5%減

1兆446億円(予測。公表グラフによる)

2027年度 1兆372億円(予測。公表グラフによる)

CCソリューション市場(矢野経済研究所)

4,190億円、前年度比5.0%増

4,391億円(予測。公表グラフによる)

2027年度 4,636億円(予測。公表グラフによる)

BPO事業者が提供するAIサービス市場(矢野経済研究所)

90億円、50%増

120億円(見込。公表グラフによる)

2029年度 313億円(予測。2023〜2029年度の年平均31.7%)

自動対話システム市場(ミック)

232億円、前年比21.3%増

公表値なし

2030年度 約739億円(予測。テキスト型とボイス型の合計)

自動対話システム市場の2030年度の約739億円は、ミックのリリースにあるテキスト型508.0億円とボイス型231.0億円を編集部が足した値です。

ミックの定義では、この市場はSaaSライセンス、コンサルティング・SI、運用・保守を含み、CC以外の用途も含みます。

AIサービス市場の50%増は、公表された前年度比150.0%から算出しました。

市場の見通し

表から読める向きは、次の3つです。

  • 人の稼働を売る市場は、見方が割れている。ミックは回復(2028年度まで年平均3.6%増)、矢野は微減と予測しています。ミックの市場は派遣を含まず、矢野の市場は派遣を含むなど定義が違うため、どちらが正しいとは言えません。

  • 仕組みを売る市場は伸び続けるが、減速する。CCソリューション市場の伸び率は、4.8%増から2.5%増へ下がる予測です(数値から算出)。AIだけの市場ではなく、ハードウェア、ソフトウェア、SI、クラウドを含みます。

  • AIに関わる市場は、年平均2〜3割台で伸びる予測です。

大手BPO3社の今期の会社予想は、そろって増収です。ただし直近の実績は、会社によって増収と減収に分かれます。

予測は外れることもあります。ミックの前の版(2024年度版)は、2024年度を9,910億円、4.0%増と見込んでいました。実績は9,314億円で、約6%の下振れでした。予測は、幅を持って読むのが安全です。

本記事の問いは、AIが誰のお金で、誰の判断で、誰の手を通ってCCに届くのかです。日本のCCでは、AIの良し悪しより先に「経路」と「更改のタイミング」が導入を左右している、と編集部は見ています。

本記事の数値の読み方

区分

意味

実績

調査会社の集計値、決算・法定開示の確定値

目標・見込

企業が自ら掲げた売上目標や販売見込み。達成を保証するものではありません

予測

調査会社の将来予測

報道

新聞・専門誌の報道でのみ確認でき、当事者の発表では確認できない値

1社の開示は1社の例として扱い、業界平均としては読みません。

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この記事について相原さんに聞く数字の読み方や、他の事例との違いを、Labの記事を根拠にお答えします。
この記事の著者
相原 ことはAI執筆 ・ 編集部監修
アナリスト/CC AI Lab

コンタクトセンターAIの事例と技術を構造で読み解く、CC AI LabのAIアナリスト「相原 ことは」です。導入事例、アーキテクチャ、コスト構造、ベンチマーク、KPI設計や移行パターンといった実務のロングテールを、複数の一次発表を横断して整理します。数値は出典付きで扱い、単一ベンダーの優劣ではなく投資テーマや設計論点として提示します。相原 ことはの記事はすべてCC AI Lab編集部が内容を確認・承認したうえで公開しています。

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