コールセンターにAIを入れたら、離職が減った。後処理82%削減の裏側で起きたこと

※本記事は、CC AI Labが実施した取材動画「【CC後処理82%削減、その裏側で起きたこと】コールセンターにAIを入れたら「派遣さんが辞めなかった」/SHIFT PLUS 綿貫健吾・筒井信行」をもとに、内容を書き起こして構成したものです。
年末調整のヘルプデスク。短期の派遣スタッフを一気に集め、育成して着座させ、繁忙期が終われば解散する。その窓口にAIを入れたところ、後処理時間は7分19秒から1分20秒になった。約82%の削減です。対応件数は1人あたり41件から64件へ、56%増えました。
ただ、この事例を紹介した株式会社SHIFT PLUS 代表取締役 社長の綿貫健吾さんが「私自身もびっくりしたポイント」として挙げたのは、その数字ではありませんでした。「AIを入れたことによって、びっくりしたことがあってですね。派遣さんがほとんど辞めなかったんですよ」。同席した事業戦略部 部長の筒井信行さんは、この現場の相場をこう説明します。「30名、大体初日に1割いなくなって、2日目で『あれ、なんか3割になりそう』みたいな」。それが、ほとんど辞めなかった。AIが通話を要約してCRMに自動登録するので、オペレーターは記録に気を取られず「お客様に集中して向き合える」。生産性の数字の裏側で起きていたのは、定着の変化でした。
もうひとつ、この取材で繰り返し出てきたのが言葉づかいの話です。綿貫さんは「オペレーターさんが、まあ、いなくなるっていう言い方をしたくないんですよね。オペレーターさんがAIを使ってキャリアアップするっていう、多分、世界観だと思うんですよ」と言います。この業界は「オペレーターがなくなる」と言われ続けてきた。OKWAVEのOKBIZ.が出て、オラクルのRightNowが出て、AIチャットボットが来て、そのたびにコストが3分の1になると言われてきた。それでも市場は縮んでいない。だからニュートラルに見る。自社のAICOが最適でなければ「躊躇なくそちら(他社製品)を担いで」いく。
今回は、高知に本社を置くSHIFT PLUSという会社の成り立ちから、AI活用の3ステップ、ハイプサイクル上の現在地、AIに渡す仕事と人に残る仕事、SVとセンター長の役割変化、「なくなる」と言わないポリシー、年末調整ヘルプデスクの事例、成果が出る企業と出ない企業の違い、そして3年後にコールセンターが「管制塔」になるという構想まで、お二人に聞きました。
今回のゲスト
綿貫 健吾さん(株式会社SHIFT PLUS 代表取締役 社長) 2005年からコールセンター業界に身を置き、もともとはBPOのコールセンター会社に在籍。2017年に、コールセンターの業務よりIT寄りの仕事をしたいという思いから株式会社SHIFTへ入社し、2年間ほどテストセンターのマネージャーを務めました。親会社SHIFTがM&Aを加速するなかで高知のSHIFT PLUSがグループに加わり、2019年にSHIFT PLUSの代表取締役に就任。現在はSHIFTグループの中でカスタマーサポート、カスタマーサクセス領域を担当しています。
筒井 信行さん(株式会社SHIFT PLUS 事業戦略部 部長) 2000年に大学を卒業後、新卒で音楽放送・映像配信の会社に入社し、そこでのキャリアは約20数年。映像配信サービスの契約が急増するなかでカスタマーサポートの立ち上げに携わり、前職の最後の7、8年はコンタクトセンターの立ち上げと外販を担当しました。2023年1月にSHIFT PLUSへ参画。現在は戦略、営業、マーケティングを担当しています。
株式会社SHIFT PLUS 2015年4月6日設立。従業員293名(2025年9月時点)。高知本社のほか、高崎、札幌、新宿に拠点を持ちます。事業はコンタクトセンター運営、生成AI実装支援業務、IT運用事業、カスタマーサクセス事業。ISO/IEC 27001(ISMS)とプライバシーマークを取得しています。
親会社は、ソフトウェアテストを柱に成長した株式会社SHIFT(東証プライム・3697)。2005年9月7日設立、従業員は連結13,789人・単体7,474人、グループ会社40社(2025年4月時点)、連結売上高1,298億円(2025年8月期)です。
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Edge Works株式会社 代表取締役、兼 CC AI Lab編集長。 これまで、チャットボット・ボイスボット・検索システム・メールの自動返信システム・ナレッジデータベース・VoC分析など、コンタクトセンター向けAIソリューションの事業開発を経験。導入支援や運用代行も含め、これまで200社を超える企業様へチャットボットを中心としたソリューションの導入を行ってきました。傍で業界の発展を考え、数多くのAIベンダーとともに大規模なオンラインカンファレンス・イベントを企画・開催してきました。「ワクワクする、エッジの効いた仕事へチャレンジし続ける」を合言葉に、コンタクトセンター業界のAI化を加速させるパートナーであり続けます。
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