【2分でわかる】コールセンターにAIを入れる進め方(PoCから本番、育て続けるまで)

コールセンターにAIを入れたいと考えたとき、多くの担当者が最初につまずくのは「どこから始めればいいのか」という疑問です。この記事では、センターの運営やシステムを担当する方に向けて、試験導入から本番、そして動かし始めた後までの進め方を、4つの段階に分けて整理します。
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進め方は4段の階段で考える
いきなりセンター全体を置き換えようとすると、何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかが分からなくなります。
そこで進め方は、小さく試す、測る、広げる、育て続けるの4段の階段で考えると整理できます。一段ずつ上ることで、次の段に進んでよいかをその都度判断できます。この後の節では、それぞれの段で何をするのかを順に見ていきます。

小さく試す: 用件を絞ったPoC
最初の段は、用件を絞った試験導入、PoCです。センターに届く用件をすべて対象にするのではなく、範囲を限って始めます。
対象には、営業時間の案内のような決まった用件を選びます。答えがはっきりしていて、AIに任せやすいからです。ここで大切なのは、それに加えて、AIに任せないと決めた用件も混ぜておくことです。
理由は、その用件を正しく人へ渡せるかも確かめるためです。AIが答えられる用件をきちんと答えることと同じくらい、答えるべきでない用件をオペレーターへ確実に引き継げることが、本番で使えるかどうかを左右します。

測る: 合格と中止の基準を先に決める
次の段は測ることです。成果を測る指標、KPIと、何をもって合格とし、何をもって中止とするかを、試験導入を始める前に決めておきます。始めてから基準を考えると、結果に合わせて基準を動かしてしまいがちだからです。
あわせて、今の運用の数字も同じ条件で測っておきます。そうすると、AIを入れたことでどれだけ変わったのかを比べられます。
逆に、判定の材料が残らないと、本番に進めないまま終わる「PoC止まり」に陥ります。試したことは確かでも、続けるか止めるかを決める根拠がないためです。

広げる: 段階導入と、つなぎ込みの壁
合格の基準を満たしたら、対象の用件や時間帯を少しずつ広げる段階導入に進みます。一度に全体へ広げず、範囲を足すたびに様子を確かめながら進めるのがポイントです。
この段では、既存のシステムとのつなぎ込みや、データの整理が壁になりがちです。試験導入では限られた用件だけを扱えばよかったものが、範囲が広がるにつれて、センターで使っている仕組みやそこにあるデータとどう連携させるかが課題になってきます。あらかじめ壁があるものと見込んでおくと、計画を立てやすくなります。

育て続ける: 改善の仕組みとベンダーの選び方
そして、動かし始めてからが勝負です。人が対応した内容をAIに反映し続ける、改善の仕組みが成果を分けると指摘されています。AIが答えられずにオペレーターへ渡した用件や、人が対応した内容を振り返り、AIの答え方に取り込んでいく流れを回し続けることが大切です。
この考え方は、ベンダー選びにもつながります。ベンダーを選ぶ時は、デモの出来より、成果の数え方と、導入後の育て方を確かめましょう。デモで見られるのは導入時点の姿です。何を成果として数えるのか、動かし始めた後にどう改善していくのかを聞いておくと、測る段や育て続ける段で困りにくくなります。

まとめ: AIは入れて終わりではない
AIは入れて終わりではありません。小さく試して、基準を決めて測り、合格したら少しずつ広げ、動かし始めた後も育て続ける。試して、測って、育てるほど、センターの力になります。

AIが入るところ
この回で見たとおり、AIが最初に入るのは、営業時間の案内のような決まった用件です。一方で、AIに任せない用件は人へ渡し、その引き継ぎが正しくできるかも含めて確かめます。
そして入った後は、人が対応した内容をAIに反映し続けることで、AIが受け持てる範囲が育っていきます。AIはセンターに一度置いて終わる道具ではなく、運用しながら受け持ちを増やしていくものだと捉えておくと、進め方の判断がしやすくなります。
用語メモ
- PoC(試験導入): 本番の前に、用件などの範囲を絞ってAIを試す取り組みです。本番に進むかどうかを判断する材料を集める段階です。
- KPI: 成果を測るための指標です。試験導入では、始める前に決めておき、今の運用と同じ条件で比べます。
- 合格・中止の基準: 試験導入の結果を見て、次に進むか止めるかを決めるための線引きです。始める前に決めておくことが大切です。
- PoC止まり: 判定の材料が残らず、試験導入から本番に進めないまま終わってしまう状態です。
- 段階導入: 合格した後に、対象の用件や時間帯を少しずつ広げていく進め方です。
- つなぎ込み: AIをセンターの既存のシステムと連携させることです。段階導入で壁になりがちな点の一つです。
- 改善の仕組み: 人が対応した内容をAIに反映し続け、動かし始めた後もAIを育てていく流れのことです。


