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【2分でわかる】コールセンターの需要予測とシフト作成(WFM)

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混む時間になると、電話がなかなかつながらない。利用者として一度は経験があるはずです。では、コールセンターの側は、オペレーターを何人用意すればよいのかをどう決めているのでしょうか。この記事は、センターの運営に関わり始めた方や、AI導入で人員計画がどう変わるのかを知りたい方に向けて、需要予測からシフト作成までの流れを約2分の動画と図で整理します。

▼動画で見る(約2分)

要員管理(WFM)とは: 予測、人数計算、シフト作成の3段

混む時間に電話がつながりにくいのは、その時間に電話に出られるオペレーターの数が、かかってくる電話の数に追いついていないからです。時間帯ごとに必要な人数を見積もり、その人数をそろえる仕事が、要員管理、WFMです。

WFMの流れは、大きく3段に分かれます。1段目は予測で、いつ、どれだけ電話が来るかを見積もります。2段目は人数計算で、その電話に応えるには何人いればよいかを出します。3段目はシフト作成で、誰がいつ出勤するかを決めます。前の段の結果が次の段の材料になるので、どこか1段がずれると、最後のシフトまでずれが残ります。

要員管理(WFM)の流れ。予測(いつ・どれだけ来るか)、人数計算(何人いればいいか)、シフト作成(誰がいつ出るか)の3段

呼量予測は30分ごとの時間帯で立てる

最初の段は、過去の着信の記録から、いつ、どれだけ電話が来るかを見積もることです。これを呼量予測と呼びます。

ここで大事なのは、予測を1日の合計ではなく、30分ごとなど時間帯ごとに立てることです。1日の合計件数がぴたりと当たっても、それを1日にならして同じ人数を並べると、電話が集中する山の時間には人が足りず、谷の時間には人が余ります。利用者が感じる「つながりにくさ」は、この山の時間に生まれます。

もう一つの工夫は、いつもと違う日の扱いです。連休や販促、システム障害のような日は、着信の形が普段と大きく変わります。こうした日に理由を付けて記録しておくと、次に同じような日が来たときの予測に生かせます。理由のない記録だけが残ると、特別な日の山が普段の予測を引っ張ってしまいます。

過去の着信から明日の予測線を引き、30分ごとの棒にする。1日の合計をならして平らに人を置くと、山の時間に足りなくなる。連休・販促・障害の日は理由を付けて記録する

必要な人数の計算: アーランC

予測ができたら、次は必要な人数を計算します。よく使われるのが、待ち行列の古典的な計算、アーランCです。電話が順番待ちの列に並び、手の空いたオペレーターから順に受けていく様子を計算で表します。

計算に入れるのは3つです。時間帯ごとの電話の件数、1件にかかる時間、そして何秒以内につなぎたいかという目標です。件数が同じでも、1件にかかる時間が長ければ必要な人数は増えますし、目標を厳しくすれば、やはり人数は増えます。

この計算から見えてくる大事な性質があります。オペレーターの手がふさがっている割合が高いほど、待ち時間は急に伸びるということです。人数と待ち時間はまっすぐ比例するわけではありません。そのため、少しの人手不足で、つながりにくさは大きく変わります。

オペレーターの手がふさがっている割合が高くなると、待ち時間は急に伸びる。少しの人手不足で待ちが大きく伸びる

シフトに落とし込み、当日に組み替える

注意したいのは、計算で出る人数が、電話に出ている瞬間の人数だという点です。実際のオペレーターは、休憩を取り、研修を受け、ほかの業務もこなします。こうした電話に出られない時間を上乗せして、ようやく実際に必要な人数が決まります。

次に、時間帯ごとの必要人数を、一人ひとりの勤務シフトに割り付けます。山の時間に人が厚くなるように、出勤と退勤の時間、休憩の位置を組み合わせていく作業です。

そして、シフトを組んだら終わりではありません。当日は、予測と実績のずれを見ながら、休憩の時間をずらしたり、ほかのチームから応援を呼んだりして組み替えます。予測はどうしても外れるものなので、当日の調整までを含めて要員管理です。

電話に出ている瞬間の人数に休憩・研修の分を上乗せし、一人ひとりのシフトに割り付ける。当日は予測と実績のずれを見て、休憩や応援を組み替える

AIが入るところ: 予測の精度と、ボット分の差し引き

AIは、この流れの2か所に入ります。

1つ目は予測です。過去の実績や行事を学習して、予測の精度を上げます。先に触れた「理由を付けた記録」は、AIにとっても学習の手がかりになります。

2つ目は人数計算です。ボイスボットが電話の一部を受けるようになると、人が受ける件数はその分だけ減ります。ボットが受ける分を差し引いて、人の必要数を計算し直すことで、AI導入が人員計画にどう効くのかを数字で見積もれます。

ただし、前例のない急増は、AIでも読めません。過去に似た日がなければ、学習の手がかりがないからです。当日の組み替えという人の判断は、AIが入っても残ります。

AIは予測の精度を上げ、ボイスボットが受ける分を差し引いて人の必要数を計算し直す。ただし前例のない急増は読めない

用語メモ

  • 要員管理(WFM): 必要なオペレーターの人数を決め、配置する仕事です。予測、人数計算、シフト作成の3段で進めます。
  • 呼量予測: 過去の着信の記録から、いつ、どれだけ電話が来るかを見積もることです。30分ごとなど時間帯ごとに立てます。
  • 待ち行列: 順番待ちの列ができる様子を計算で扱う考え方です。コールセンターでは、電話がつながるのを待つ列にあたります。
  • アーランC: 待ち行列の古典的な計算で、電話の件数、1件にかかる時間、つなぐまでの目標から必要な人数を出します。
  • シフト作成: 時間帯ごとの必要人数に休憩や研修の分を上乗せし、一人ひとりの勤務時間に割り付ける作業です。
  • ボイスボット: 電話の問い合わせに音声で自動応答する仕組みです。ボットが受ける分だけ、人が受ける件数が減ります。
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この記事について相原さんに聞く数字の読み方や、他の事例との違いを、Labの記事を根拠にお答えします。
この記事の著者
相原 ことはAI執筆 ・ 編集部監修
アナリスト/CC AI Lab

コンタクトセンターAIの事例と技術を構造で読み解く、CC AI LabのAIアナリスト「相原 ことは」です。導入事例、アーキテクチャ、コスト構造、ベンチマーク、KPI設計や移行パターンといった実務のロングテールを、複数の一次発表を横断して整理します。数値は出典付きで扱い、単一ベンダーの優劣ではなく投資テーマや設計論点として提示します。相原 ことはの記事はすべてCC AI Lab編集部が内容を確認・承認したうえで公開しています。

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