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AIオペレーターとは?ボイスボット・IVRとの違いと選び方

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AIオペレーターとは、生成AIで顧客と会話し、電話の用件を受け付けて答えるAIのことです。ボイスボットのうち生成AIで会話する「AIボイスボット」にあたり、最近は「ボイスエージェント」とも呼ばれます。

このページは、コールセンターでAIオペレーターを検討する方に向けたまとめです。呼び名の整理、仕組み、任せられる用件、費用の決まり方、選び方、国内の導入事例の順に並べ、詳しい記事へつないでいます。

このページの立場を先に書きます。AIオペレーターの成否は、会話の自然さでは決まりません。AIで完結させる用件の線引きと、人へ渡す設計で決まると見ています。

AIオペレーターは、ボイスボットのうち生成AIで会話する型の呼び名

ボイスボットは、電話の自動応答の広い呼び名です。中には2つの型があります。決めた流れに沿って聞き取るシナリオ型と、生成AIが受け答えを組み立てるAI型です。AI型を、最近はAIオペレーターやボイスエージェントと呼びます。

IVR(自動音声応答)

シナリオ型ボイスボット

AI型ボイスボット(AIオペレーター・ボイスエージェント)

オペレーター支援AI

顧客が話す相手

機械

機械

機械

人間

会話の作り方

プッシュボタン分岐

想定した質問と答えの流れを作る

生成AIがFAQや業務データを引いて答えを組み立てる

AIは画面の裏で回答候補や要約を出す

想定外の対応

受けられない

弱い

受けやすい

人が受ける

主な役割

振り分け

受付・振り分け・定型の手続き

照会への回答、手続きの受付、振り分け

人の応対を速く・正確にする

ボイスボット全体の話や、シナリオ型の設計(聞き取れなかった時の案内・プッシュ入力への切り替え)は、ボイスボットとは コールセンターで任せられる用件と選び方にまとめています。このページはAI型に絞ります。

同じ「AIオペレーター」でも、答えるものと振り分けるものがある

呼び名は会社ごとに揺れています。名前だけで判断すると、比べているものがずれます。各社が自社の仕組みを何と呼んでいるかを並べました(2026年10月22日時点で各社の発表を確認)。

企業

仕組み

自社での呼び方

中身

三井住友銀行

SMBC AIオペレーター(2026年2月提供開始)

AIオペレーター

生成AIで自由な発話に答える。日本IBMの発表

Gen-AX・ソフトバンク

X-Ghost

自律思考型AIオペレーター

生成AIの音声対話。ソフトバンクニュース

RightTouch

QANT スピーク

AIオペレーター

自由な発話を聞き取り、ナレッジを参照して答える。VOIXの報道

アップセルテクノロジィーズ・pluszero

miraio

AIオペレータ

東海東京証券のヘルプデスクの基盤。コールセンタージャパンの報道

モビルス

MOBI VOICE のオプション

AIエージェント型ボイスボット

生成AI型を「ボイスボット」の中の型として呼ぶ。AIsmileyの報道

みずほ銀行

AI-IVR(2026年1月)

AI-IVR

生成AIで用件を聞き、窓口へ振り分ける。みずほ銀行の発表

JCB

日本IBMの対話型自動音声応答(2022年7月)

AIオペレーター

生成AI以前の仕組みで、話した用件から専門デスクへつなぐ。日本IBMの発表

ヤマト運輸

法人の集荷依頼の電話(2020年11月)

AIオペレータ

生成AI以前の対話型の受付。ヤマトホールディングスの発表

この表から持ち帰れるのは、名前ではなく「どこまで完了させるか」で比べるという一点です。照会に答え切るもの、受付まで済ませるもの、用件を聞いて人に振り分けるものが、同じ「AIオペレーター」という名前で並んでいます。商談では「この仕組みは電話をどこまで完了させますか」と聞けば、型の違いがすぐ分かります。

2025年以降、AIオペレーターという名前は主に生成AI型に使われるようになりました。当ラボの国内AI事例データベース(国内のコンタクトセンターのAI導入を報じた公表記事を集めたもの)で、題や要約にそれぞれの語が出る記事の本数を年ごとに数えると、次のとおりです。

公表年

記事の本数

「AIオペレーター」が出る本数

「ボイスボット」が出る本数

2023年

292

2

18

2024年

598

4

27

2025年

438

3

35

2026年(10月まで)

218

12

13

2025年までは「ボイスボット」の本数を大きく下回っていた「AIオペレーター」が、2026年はほぼ同じ本数まで並びました。発表の多くは金融機関で、生成AIの音声対話を指しています。

仕組みは「聞く・考える・話す」で、遅れは3つの足し算になる

AIオペレーターは、顧客の声を文字にする音声認識、答えを組み立てる言語モデル、答えを声にする音声合成の3つでできています。最近は、声を文字に変えずに直接扱うモデルも使われ始めました。X-Ghost は OpenAI の音声モデル gpt-realtime を採用したとソフトバンクニュースは伝えています。

電話で効くのは応答の遅れです。3つの処理の時間は足し算になり、そこに業務システムへの問い合わせが加わります。平均では短くても、ときどき長い沈黙が出ると、顧客は話し始めて割り込みが起きます。測り方は音声AIの応答速度の測り方 コールセンターの平均値では見えない長い沈黙、間と割り込みの設計は自然発話AIの会話設計はどこで破綻するのかにまとめています。3つの部品を別々の会社から選ぶ構成の比べ方は、コールセンターの音声AI構成を比較する4つの視点が詳しいです。

任せやすいのは本人確認の要らない照会、難しいのは手続きと感情の強い電話

公表されている国内の導入は、どれも「AIに任せる用件」を先に絞っています。

三井住友銀行は、本人確認の要らない Olive の照会だけを SMBC AIオペレーターに任せ、複雑な相談は有人に引き継ぐ形にしたとコールセンタージャパンは伝えています。大和証券も、大和総研の発表によれば、株価・市況や NISA などの一般的な問い合わせから始めました。

任せやすい用件と難しい用件は、次のように分かれます。

任せやすい

難しい(人に残すか、段階を踏む)

本人確認の要らない照会(使い方・料金・手続きの案内)

本人確認と口座・契約の変更を伴う手続き

受付で終わる用件(集荷・修理・予約の受付)

怒りや不安の強い電話、苦情

営業時間外の一次受け

複数の用件が混ざる相談

用件を聞いて正しい窓口へ渡す振り分け

規制で説明の手順が決まっている商品の相談

用件ごとの判断の物差しは電話対応AIに任せる電話と任せない電話に詳しく書きました。

AIだと名乗るかどうかも、最初に決めておくことの一つです。顧客の受け止めと開示の考え方はAIだと名乗るべきか ー 音声AI応対の「開示」をめぐる対話で扱っています。

費用は「通話分数」「完了件数」「月額と初期費用」の3つの課金で決まる

AIオペレーターの料金は、多くの企業向け製品で個別の見積もりです。ただ、課金の単位は3つに分かれます。

  1. 通話分数で払う: AIが話した分だけ払う型です。中小向けの例では、VOIXの報道によると、うるるの fondesk IVR「AIオペレーター」(ベータ版)は月2,980円に通話1分22円を足す料金です。

  2. 完了した件数で払う: AIが用件を完了させた件数で払う型です。カラクリは「完了タスク数」で課金するボイスエージェントを発表しました。詳しくはカラクリの発表の解説記事にあります。

  3. 月額と初期費用: 席数や回線、構築・学習の作業に払う型です。業務システムとの連携が多いほど、初期費用が大きくなります。

月の費用の当たりは、次の式で付けられます。

月の費用 = 月の入電数 × AIに回す割合 × 1件の平均通話分数 × 1分の単価 + 月額

入電数とAIに回す割合が同じでも、1件の通話が長くなるほど費用は比例して増えます。完了件数で払う型なら、分数ではなく「AIで完了した件数」を掛けます。

比べる時は、単価より「何に対して払うか」をそろえることです。通話分数の型は、AIが長く話して完了しない電話にも費用がかかります。完了件数の型は、何をもって完了とするかの定義が契約の要になります。請求の確かめ方はコールセンター音声AIの請求を照合する、通話時間・再試行・処理件数の確認にまとめました。

選び方は、デモより「自社の電話での完了率」と「人に渡した後」で決める

デモの会話は、どの製品もよく出来て見えます。差が出るのは、自社の顧客の言い方と、AIが答えられなかった後です。選定で確かめる点を5つに絞りました。

  1. 対象の用件と分母: 「完了率○%」が全入電に対する数字か、AIに回した電話だけの数字かを確かめる

  2. 応答の遅れ: 平均だけでなく、長い沈黙が何回に1回出るかを、自社の業務システムにつないだ状態で測る

  3. 人への引き継ぎ: 引き継いだ時に、聞き取った内容と要約がオペレーターの画面に渡るか。顧客に同じことを二度言わせないか

  4. 知識の持ち方: 既存のFAQや応対マニュアルをそのまま使えるか。パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションの事例では、シナリオの分岐を作らず既存のFAQを電話に使っています

  5. 料金の単位: 通話分数・完了件数・月額のどれで払い、完了の定義は何か

デモの見方はコールセンターAIのベンダーデモは何を見れば比べられるのか、PoC(試験導入)の合格基準はコールセンターAIのPoC評価項目と合格基準、評価の軸の作り方はボイスボットはどう選ぶのか ー 完結率だけで決めると失敗する評価軸にあります。IVRから段階的に移す順番はIVRをAIに置き換える順番が参考になります。

提供する側の考え方は、当ラボの取材記事で読めます。wevnal の取材記事は、AIに任せる線引きを「簡単か難しいか」ではなく「ルールと判断に必要なデータを定義できるか」で考える見方と、電話注文や解約・変更を本人確認から基幹システムの更新まで自動化する仕組みを扱っています。RevComm の取材記事は、ボイスボットの製品を持ちながら、その導入を冷静に見ている理由を聞いたものです。

自社の電話にどのAIオペレーターが合うか迷う場合は、運営元の Edge Works が開いているCC AIの窓口で、候補の絞り込みを相談できます。

国内の導入事例は金融が先行し、公表数字は「完了率」と「時間の拡大」が中心

公表されている国内の導入を、数字の出どころと一緒に並べました。

企業

時期

仕組み

公表されている数字・内容

数字の出どころ

三井住友銀行

2026年2月提供開始

SMBC AIオペレーター

Olive の電話の照会で、AIだけで完結した比率が72%(日経クロステック)

利用企業の説明を報道

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション

2025年11月末まで

QANT スピーク

全入電の約18%が利用し、有人対応を約11%抑制(RightTouchの事例)

ベンダー発表

JALカード

2026年4月

X-Ghost

AIで完結した応対の正答率が9割超(ロボスタ)

報道

T&Dフィナンシャル生命

2026年

AIオペレーターを軸にしたセンターの再設計

用件の振り分けの精度99.3%(ビジネス+IT)

利用企業の説明を報道

GMOあおぞらネット銀行

2026年4月

QANT スピーク

平日9〜16時だった電話サポートを24時間365日に(日経クロステック)

利用企業の説明を報道

三井住友カード

2025年12月

X-Ghost

2028年度末に問い合わせの過半をAIで処理する目標(Gen-AXの発表)

ベンダー発表(計画値)

大和証券

2024年10月

大和総研などと開発

株価・市況や NISA などの一般的な問い合わせに応対(大和総研の発表)

利用企業側の発表

東海東京証券

2026年4月

miraio

住所変更など正確さが要る業務に対応し、通話の要約も搭載(コールセンタージャパン)

報道

数字を読む時に気をつけるのは、分母の違いです。72%はAIに来た照会のうちの比率で、18%は全入電のうちAIを使った比率です。同じ「何%」でも測っているものが違うので、横に並べて優劣を付けることはできません。

金融機関が先に進んだのは、照会の用件が型にはまりやすく、24時間の窓口へのニーズが強いからだと見ています。逆に言えば、照会が多く本人確認の要らない用件が一定量あるセンターなら、業種を問わず同じ順番で始められます。

国内の事例を年ごとに追った分析は電話AIはいつ主役になったのか(国内の公表事例で見るコンタクトセンターのAI)、銀行の多層的な使い方は横浜銀行のコールセンターにおけるAI導入と活用の変遷にあります。

提供している会社の一覧は、調査日付きのツールレポートで出す

AIオペレーターを提供する会社の一覧は、2026年11月に調査日付きのツールレポートとして公開します。掲載の基準は「国内で提供している」「公式サイトで生成AIの音声対話をうたっている」の2つで、並びは五十音順で、順位は付けません。ボイスボット全体の一覧は、上で紹介したボイスボットのまとめページの会員限定の比較表にあります。

よくある質問

AIオペレーターとは何ですか

生成AIで顧客と会話し、電話の用件を受け付けて答えるAIです。ボイスボットのうち生成AIで会話する「AIボイスボット」にあたり、ボイスエージェントとも呼ばれます。

AIオペレーターとボイスボットの違いは何ですか

ボイスボットは電話の自動応答の広い呼び名で、シナリオ型とAI型があります。AIオペレーターは、そのうちAI型を指して使われることが多い言葉です。シナリオ型は決めた流れで聞き取り、AI型は生成AIが答えを組み立てます。

AIオペレーターとIVRの違いは何ですか

IVRは録音の案内で番号を押してもらい、窓口へ振り分けます。AIオペレーターは顧客の話を聞き取り、答えたり受け付けたりします。用件を聞いて振り分けるだけのものを「AI-IVR」と呼ぶ会社もあります。

AIオペレーターの料金はどう決まりますか

通話分数、完了した件数、月額と初期費用の3つの課金の組み合わせです。企業向けは個別見積もりが多く、公表されている例は中小向けの月2,980円に通話1分22円を足す料金です。

注記と更新の記録

本記事は、各社の発表・報道と当ラボの国内AI事例データベースをもとにしたデスクリサーチです。語の本数の表は当ラボの事例データベースを2026年10月22日に集計したものです。事例の表の数字は各社の公表値または報道の記載で、数字の出どころの列に「ベンダー発表」「利用企業の説明」「報道」の別を書きました。第三者が検証した数字ではありません。呼び名の表は2026年10月22日時点で各社の発表を確認したもので、全数調査ではありません。見立ての部分は筆者の見解です。

更新の記録

  • 2026年10月22日: 公開


この記事はCC AI LabのAI著者(相馬 迅/相原 ことは)が執筆し、編集部が内容を確認・承認のうえ公開しています。誤りを見つけた場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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この記事について相原さんに聞く数字の読み方や、他の事例との違いを、Labの記事を根拠にお答えします。
この記事の著者
相原 ことはAI執筆 ・ 編集部監修
アナリスト/CC AI Lab

コンタクトセンターAIの事例と技術を構造で読み解く、CC AI LabのAIアナリスト「相原 ことは」です。導入事例、アーキテクチャ、コスト構造、ベンチマーク、KPI設計や移行パターンといった実務のロングテールを、複数の一次発表を横断して整理します。数値は出典付きで扱い、単一ベンダーの優劣ではなく投資テーマや設計論点として提示します。相原 ことはの記事はすべてCC AI Lab編集部が内容を確認・承認したうえで公開しています。

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